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最短でプロジェクトを回す方法

突然ですが、Sprintという言葉をご存知でしょうか? 直訳すると「短距離走」という意味になります。IT業界で使用される意味としては、アイデアを最短でテスト段階まで進めるプロセスを指しています。もともとGoogleが生み出した手法で、Gmailアドセンスを開発する際に使われたそうです。それ以降スタートアップ界隈で有名になり、アジャイル関連の勉強会でもよく話題になります。今回はこのSprintを実践するための書籍を読んでみることにしました。

 

【概要】

読んだ理由:言葉の意味しか知らなかったから。あわよくば次の職場で活かしたい

学んだこと:最速でプロジェクトを回すための一週間の動きを理解できる

実践すること:新規のプロジェクトの際に思い出すようにする

 

読んだ理由

冒頭で記述した通りなのですが、Sprintという言葉だけ知っていて、なんかしらの開発手法なんだろうな、とは思っていたのですが、「Sprintでガンガン回していく」といったことを最近耳にし、どういった手法なのかを知りたくて手に取りました。あわよくば、次の職場でもいかせればと思っています。

 

学んだこと

Sprintは一週間(月〜金)で問題の洗い出しから生身の人間でテストする段階まで持っていく、プロトタイプを短時間で開発するプロセスです。より重要で重大な問題を集中的に解決しよう、という主旨のようです。確かに時間をかければ良いものができるわけでもなく、ダラダラと会議が続きがちなので、時間を区切って短時間でプロジェクトを進めていくというのは合理的な気がします。

Sprintでどのように進行していくかは下記の通りです。

  • 月曜日:問題を洗い出し、どの部分に照準を合わせるか決める(プロジェクトの長期目標を定める、マップを考える、リスクを考える、自問する)
  • 火曜日:解決法を紙にスケッチする(3分ほどのデモもする)
  • 水曜日:最高の解決法を選ぶ。アイデアを検証可能にさせる(一斉に評価して、一斉に決める。15コマでストーリーを作る)
  • 木曜日:プロトタイプを作る(このプロトタイプはテスト後に捨てる)
  • 金曜日:生身の人間でテストする(テスト人数は5人ほど、それで問題の85%がわかる。テストは全員で確認する)

さすがになかなか忙しそうですね。Sprintにもルールがあり、デジタルデバイスを使わないのと、スピード優先なので決定者を必ず参加させるとのことです。決定者が参加できない場合は代理の決定者にすべて委ねることを約束させる、ということも書かれており、なるほどなと思いました。

また、一週間丸ごと使用するので、課題は大きければ大きいほど良いそうです(何からはじめればいいのかわからない、進行しないとリスクが高い、時間がたりない等)。

 

実践すること

付録に一週間のスケジュールが書かれていたり、用意するもののチェックリストがあったり、Sprintを実践させるための方法が徹底的に書かれている、非常に凝った書籍でした。わりとどんなワークショップにも流用できそうな内容で、もう少し早く読みたかったな、という印象です。

ただ、本格的に実践しようとなると機会が少ないですね。何か新しいプロジェクトを開始する際に威力を発揮すると思いますので、何かしらの機会があればこの書籍を思い出して実践したいと思います。そもそも日本でSprintを実践したことがある企業ってどのくらいあるのでしょうかね? インタビューや勉強会を開いてみたいと思いました。

 

最後にライト兄弟の初飛行を見守ったジョン・T・ダニエルズという方の言葉が心に刺さりましたので引用します。

私は夢見ている−−−誰もが自分のアイデアを信じ、ライト兄弟のように全身全霊をかけてそれを追求したら、多くのことを成し遂げられるだろう

引用:(ジェイク・ナップ (), ジョン・ゼラツキー (), ブレイデン・コウィッツ (), 櫻井 祐子  (翻訳) SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法, ダイヤモンド社, 20174262刷)

 

ちなみにジョン・T・ダニエルズが撮影した写真がこちらです。

か、解像度がすごい笑